2014年11月25日

白馬でのこと

いずれ記憶はおぼろげになってしまうので、とりあえず書き記しておこうと思い立ちました。

22日〜24日の間、長野・白馬にある宿にて模型合宿が行われる予定でした。その話を教えて貰った方の車に便乗させてもらい、自分も白馬へ行くことに。こういう時のために買ったブロンプトンをなんとか詰め込ませていただき(他の車中メンバーもブロンプトンやダホンといった折りたたみ自転車を積んでました(´ω`;))いざ出発。
土曜日の早朝から関東を離れ、白馬のその宿に着いたのが9時頃。
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窓からの光量も豊かで薪ストーブの暖も行き渡る、居心地佳さそうな食堂です。ここがメインの作業場とのこと。地下には乾燥室に換気ブースを増設した塗装スペースも用意していただき、この宿はこのとき完全にモデラー仕様。modelers'nest。
着いた早々に10時のおやつまでいただきつつ、作業開始です。
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年二回のこの催し、合間に完成させた各人の作品が別の卓には並びます。ボクは…持ってくるの忘れました('A`)。

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白馬はこの日、よい天気でした。迫る峰々は雪化粧を始めていて、冬はもうすぐそこです。気温からして東京とは違う(´・ω・`)。
夕方、暗くなる前に気分転換がてら自転車にも乗りました。遠出先で自転車に乗れるってなんかイイ(・∀・)
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「なんにもないね…」
「違いますよ『何もない、がある』んですよ」
などとどこかのCMで聞いたような言い回しに納得したりして。
青木湖まではずっと登りが続いていて、小径車だとちょっとしんどい感ありましたが、折りたたみ自転車の魅力を初めて堪能できたような。そんな気がしました。

帰ってからはまた造型。そして夕飯。
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この合宿、とにかくごはんが旨い。ただ量が多すぎて、この先、このまま三日もここに居たら体重とかどうかしてしまうんじゃないかと心配になるくらいでした。ボクも大食らいな方だと思ってたんですが太刀打ちできん。次来る時は自分だけでも控え目にしてもらわないと保たないなあと思いつつ。

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夜も作業が続きます。一日目ですが皆よい感じの集中ですね。この後、22時からは有志の呑みが始まる予定になっていました。

で、22時8分。長野北部で震度6弱の地震に見舞われた訳です(´・ω・`)。

ボクは丁度作業が一段落したと思ってトイレに行こうと席を立ってました。暗がりの玄関先で建物全体がガタガタ、と鳴り始めて、あれ? なんだこれ。揺れてるのか? と、思った次の瞬間、身体全体飛ばされるような揺れが襲いました。
何が起こったのかよく分からないまま、隠れるような場所もなく這いつくばって腕で頭を覆いました。その上から外れた引き戸が倒れてきましたが手の甲にあざが出来た程度。ガラスが割れなかったのが幸いして出血らしい出血もなく、揺れを凌ぎきることができました。
「とにかくまず外に出ろ!」と掛け声が響き、着の身着のままで玄関から外…といっても、玄関に置かれていた自販機が横倒しに倒れていて、スムースな出入りすら困難なありさま。その脇をよけて外に出ました。
地震だったんだ、ということは分かってきました。自分にしてもいろいろ大きな地震は体験してきましたが、
身体ごと倒されるような揺れは人生初です。
建物の倒壊がなかったのは本当に幸いで、もし1階や屋根やら崩れていたら死人が出てもおかしくありません。いや、建物が一見無事なようでも、中は重い机やら棚、ガラス製品が多数あるので、それが凶器となって襲いかかることもある訳です。参加者の中には血を流しながら逃げ出してきた方もいらして、応急の止血措置を受けつつ救急車を待つ羽目に。…救急車すらいつ来るのか分かったものではありません。送電も途絶え、非常電源が灯す灯り、自動車のヘッドライトの灯りだけが頼りの夜間被災。気温も低く、周辺の状況も分からず、これは不安になります。
道路を挟んだ向かいの納屋は屋根が落ちて全壊に近いありさまでした。

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こんな時に写真を撮っているのもどうかと思うのですが…(´・ω・`;)。この建物の下に、持ち込んだ折りたたみ自転車(ブロンプトン×2、ダホン×1)が埋もれました_(:3」∠)_
でもこのときは、人間がこうならなくてよかった。と思う気持ちの方が強かったです。無事がはっきりするといろいろ欲が出てくるものです('A`;)。
あと、原型です。作業場を離れていたから状況よく分かってなかったんですが、こうなった以上可能な限り回収したかった。揺れが落ち着いてから作業場へ舞い戻り、スマホのバックライト最大にした灯り頼りに散らばったものなど拾い集めました。…非常の際には人間の本性が見えるといいますが、すみません。自分は卑しいいっぴきのモデラーでした。ふへへ。
周辺のカバンやカメラ、上着なども可能な限り回収してそそくさと外へ。倒れた薪ストーブにはおそらく水がかけられていたのでしょう。火はありませんでしたが異臭は篭もっていて、長居できる空間ではありませんでした。余震も続きそうでしたからこれで被害にあっては意味がありません。
備蓄の燃料も流れ出していて周辺には石油臭が立ち篭め、「火気注意」の呼びかけが緊張感を持って伝わります。寒いですが、何かを燃やすこともできない。

星だけはいつもと変わらぬ位置で、しかしやたらと綺麗でした('A`)。

どこが安全でどう動いたらよいのかも判然としない中なので、とにかく夜を明かす他ありません。着ていた上着だけでは到底足りず、宿から運び出した寝具に身をくるみ、車中泊覚悟で車の中へ入りました。こんなことが起こるとは誰も思っていませんからガソリンも半分ほど。エンジンを長く点けるのも躊躇われます。朝になって調達できるかも分からない。そもそも長野から移動できるのかどうか?
情報も欲しかったですが…意外にラジオでこの地震に言及している局は少なくて、これはピンポイント的な地震だったんじゃないか、みたいな話も話題になりました。自分たちが経験しているのは非日常の極みですが、ラジオは平凡そのものというギャップ。それはそれで幸いなことなのでしょうが、何だか自分たちだけ世界から取り残されたような、そんな不安感を強くしたのも事実です。

…今まで、自然災害の報道などは外側から見ることが多かったですが、テレビの中の人々はこんな心境だったんだろうかな…と、考えさせられることしきり。

沈黙が長くなってきた頃合い、午前一時前後くらいでしょうか。宿のオーナーのツテで、被害がなかった別の宿に急遽一泊できるようになりました。地獄に仏とはこのことか。車で八方まで移動し、暖かい一室と残り湯で身体を温めることができました。我々を快く受け容れて下さったメルヘンハウスさんに感謝です。ありがとうございます。

暖かい布団で一夜を明かすことができて、朝食までいただけました。今後のことなど話し合い、とりあえず身の回り品の回収と、手伝えるところは手伝って、関東に戻ろうということに。
白馬の宿まで戻る最中は、やはりなんだか不思議でした。周辺の建物や店には特段の影響もなさそうで、平常運転。これならガソリンの調達にもたぶん問題ないし、土砂崩れさえ迂回できれば普通に帰ることもできそうです。となると自分たちのこの経験、被った被害は何なんだろう(´・ω・`)と。
天災てそういうものなんですよね。としか言い様がない。運が悪かった、と。
さすがに白馬神城周辺は通行止めも各処にあって、通れる道路もところどころ大きく割れていて、通るとガコンガコンいいましたが寸断はされていません。幸いと言えば幸いですが、やはり、「自分たちはピンポイントで運が悪かった」の一言で納得するには理不尽感が否めない…。

戻ってみるとやはり現実はこの通りで。
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↑ひと晩明けてもボクらのブロンプトン×2とダホン×1はこのマルのあたりで埋もれています。Oh…(´・ω・`)回収はひとまず断念し、復旧の中で掘り起こせたら連絡いただくことにしました。

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↑片付けてしまうと被害査定に影響が出るかも、というオーナーからの話もあり、各自、必要品だけ回収する作業になりました。建物の構造は無事…のようですが、カベは割れ、内装は滅茶苦茶です。これで重傷者が居なかったのはほんとに幸いでした。
工具やパーツを可能な限り拾い集めます。とある方のポリパテのパーツはけっこう粉々になって破片を探すのも困難な有様でしたが、ボクの方はなんとか一通り確認できました。大きな損壊もありませんでした。

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↑完成品を飾っていた卓も、それぞれが作品を回収…しましたが、おそらく少なからず損傷あったと思います(´・ω・`)。誰が悪いということはないですが、このありさまはちょっとせつない…。

午前中には撤収の準備がついて、オーナー夫妻、参加者の方々にお声がけして戻って来た次第です。

それでもボクらは言ってしまえば「一介の旅行者」。命や身の回り品が無事で、帰ることができれば、すぐに元の生活に戻ることができます。
これから冬のシーズンインというときに、この現状から復旧させることの苦労を思うと、いたたまれないものがあります。オーナー夫妻は「かならずよりよい宿にします」と力強くおっしゃっていました。一日でも早くその時が来ることをお祈りいたします。その時にはまた必ず来ます。
posted by カフN at 10:21| Comment(0) | 模型塾&ねんど会
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